何かを目撃してしまうことは怖いことだ。ふと風景だと思っていたものが動きだしてこちらに一歩ずつ近づいてくるのだ。無関心を貫くにはあまりにも切迫している。
『重力の墓標』2024/11/24
取手芸祭期間中、東京芸大取手キャンパス内に設置された作品。一見するとストーブのような形をしているがそこにはのぞき窓があり、地面に掘られた道を進んでいくとストーブの中を鑑賞できるようになっている。そこに映るのは炎と火の番をする人の顔そして、その中を泳ぐ3匹のメダカ。次第に火の周りには人が群がり、焼き芋や秋刀魚の匂いとともに炎の中で優雅に泳ぐメダカの姿を鑑賞できる。実際には炎の中にメダカはおらず、鑑賞者が立つ地面の中に水槽が埋め込まれており鏡の反射原理を使いまるで炎の中で泳いでいるように見せている。