私は総合格闘技(MMA)を習っている。総合格闘技は”打”(ボクシングやキックボクシング)”投”(柔道やレスリング)”極”(柔術やプロレス)などあらゆる格闘技の要素を混ぜた格闘技だ。この作品は総合格闘技の三次元的な動きを元に表現された映像作品である。また、それと同時に「闘う意味」について鑑賞者に訴えかける映像作品でもある。人の死を連想させる「墓」という場所で 縦3m横4mの紙の上でガスマスクのようなものを付け闘う様は、まるでゴジラとモスラが東京の街を壊しながら闘うような迫力がある。この関係は「国対国」「個人対個人」のように世の中のあらゆる構図に当てはめることができる。
前半の墓での闘いの、その後のシーンとして森の中や荒廃した空き地で闘う様子を撮影した。周りが荒廃しても尚、闘いを続ける二人の様子は「人間同士の戦争」を比喩している。そして最終的に周りは自然に囲まれる。このシーンは、人々が戦争を続けた結果を描いている。最後、二人は抱き合い「共存」という形をとり映像が終わる。この作品は「MMAの動きが紙の上に表現される」ことと背景や場面の変化によって「闘い」の意味を鑑賞者に訴えかける二つの側面から構成されている。
2021/05/05,映像(3:00),(水風船,絵の具,紙,ブルーシート,タオル)